電気電子工学実験・実習

2回生からは電気電子工学実験・実習が始まります。アナログ・デジタル回路の設計・製作、モーターのインバーター制御、発光ダイオードやトランジスタなどの半導体デバイスの評価、マイクロプロセッサの動作原理などの実験から、レーザによる光通信の実験や、プラズマの計測実験、マイクロ波の伝搬実験など、多岐にわたるテーマが皆さんを待っています。授業や机上の演習では決して体験できない、実際に装置を動かしデータを取り、その解析を進める経験を積むことで、電気電子工学の技術者・研究者の素養を養います。

これらの実験は、授業や通常の演習のように1から10まですべてのやり方が指示されている訳ではありませんので、各自(各班)の工夫とセンスで実験を進めます。データの取り方が不十分だったり、装置の配線が間違っていたりすると、指導教員からは容赦なく実験やり直しを命じられます。時には定刻を過ぎて居残ることもありますが、自分たちの責任で目的を完遂することの良い経験になります。

3回生後期には、数週間(1テーマあたり4コマ×3~6回)にわたる長期(プロジェクト的)テーマが準備されています。例えば、サーボモーターの設計・評価に関する実習では、高速、かつ、オーバーシュート(目標の角度を行き過ぎてしまう現象)を最小限にする制御(フィードバック)回路の設計を行い、実際にその特性を評価します。サーボモーターはロボットを始め、自動車、飛行機、ロケットなどありとあらゆる機器に使用されている重要な装置です。また、半導体関係では、LSIを設計するテーマやクリーンルームに入ってシリコン太陽電池を製作するテーマもあります。自分が設計したLSIが思い取りに動作した時、太陽電池から光起電力が得られた時の喜びは、技術者としての第一歩、そして、かけがえのない経験となるでしょう。

本学科の実験・演習は、学内外から極めて高い評価を受けています。電気電子工学分野を幅広くカバーするテーマ設定、充実した設備と、多数の教員・TA(ティーチングアシスタント,大学院生の補佐員)で対応する体制など、国内最高水準の教育環境です。

4回生の研究室配属以降はそれぞれが専門分野に進みます。自分の専門分野に直結した実験・実習テーマの経験は、研究室配属後、本格的な研究に取り組む基礎となります。また、自分の専門分野と直接関係のない実験テーマの経験は、社会に出てから幅広い視点で物事を考えられる技術者・研究者として大きな力になります。また、このことは、産業界からの電気電子工学科卒業生に対する高い評価にもつながっています。