言語メディア分野

自然言語処理

本研究室では、言語(ことば)を計算機で処理するための各種技術とその応用に関する研究を行っている。言語は、人間の知性を支える重要な要素であり、言語能力の解明なしに、人間の知的能力の解明はあり得ない。また、言語は、コミュニケーションのための最も重要なメディアの一つであり、かつ、時を超えて知識を伝える知識伝達メディアでもある。この意味において、言語を科学的・工学的に研究することは、計算機科学の分野はもとより、より広範な技術分野に対して、大きな意味と影響を持つ。

教員

黒橋 禎夫 ( Sadao KUROHASHI )

黒橋 禎夫特定教授(情報学研究科 知能情報学コース)

研究テーマ

自然言語処理、知識情報処理

連絡先

〒606-8501 京都市左京区吉田本町
吉田キャンパス 本部構内 工学部3号館 S206
TEL: 075-753-5344
FAX: 075-753-5962

村脇 有吾 ( Yugo MURAWAKI )

村脇有吾准教授(情報学研究科 知能情報学コース)

研究テーマ

計算言語学、自然言語処理

連絡先

研究テーマ・開発紹介

言語理解の基礎的研究

計算機による言語理解を実現するためには,計算機に常識・世界知識を与える必要があります.10年前にはこれは非常に難しい問題でしたが,近年の計算機パワー,計算機ネットワークの飛躍的進展によって計算機が超大規模テキストを取り扱えるようになり,そこから常識を自動獲得することが少しずつ可能になってきました.我々の研究室でも,クラスター計算機を使ってwebから収集した日本語約5億文を処理することにより,日本語の述語項構造のパターンを自動学習することに成功しました.このような知識を利用することにより,計算機による文章理解,すなわち文章中の語/句間の関係性の解析について研究をすすめます.

自動翻訳

計算機による自動翻訳をより人間的な翻訳に近づけるために,言葉の理解・パラフレーズを通した翻訳や,大量の用例を利用した次世代翻訳方式の研究を行っています.すでに旅行対話などでは実用レベルの翻訳を実現しており,特許翻訳などの専門家が利用できる翻訳支援システムの構築も行っています.平成18年度からは科学技術振興調整費による日中翻訳プロジェクトにも参加しています.

構造的言語処理による情報検索基盤技術の構築

情報検索の本来の目的は,表面的なテキストではなく,その中の情報・知識を得ることであり,そのためには計算機によるテキストの理解,言語の理解が本質的に必要となります.構造的言語処理によって,語を単位とするのではなく述語項構造を単位とし,言語表現の多様性を吸収し,クラスタリング・対話に基づく鳥瞰図的把握を提供する,次世代情報検索の基盤技術を構築しています.