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伝送メディア分野(守倉研究室)

通信ネットワークは,人間同士が通信を利用する段階から,人間が介さず機械同士が通信を行うM2M(Machine to Machine)と呼ばれる新たな段階に移行しつつあります.最も現実的なアプリケーションとしてスマートメータがあります.5〜10年後には,各家庭の電力メータやガスメータは無線ネットワークに接続され,検針が自動的に行われるだけでなく,ネットワーク側から何らかの制御が可能になっているでしょう.

スマートメータをはじめ,最先端の情報通信技術を駆使した自然災害予防のための環境モニタリングや,ヘルスケア・メディカルケアのためのバイタルモニタリングを実現するM2M無線ネットワークは,携帯電話や無線LANで要求される高速大容量と比較して低速であるものの長い通信距離が要求され,現在920 MHz帯域での運用を視野に入れたIEEE 802.11ahをはじめとする標準化が進行していますが,結果として数万といった端末が競合する状況になります.また,莫大な数の端末のメンテナンスフリーのために,バッテリレスが求められるようになるでしょう.このような課題に対して,我々の研究室で培ってきた無線通信技術を駆使し,新たな時代を支える基盤技術の研究に取り組んでいます.

教員

守倉 正博 ( Masahiro MORIKURA )

守倉 正博教授(情報学研究科 通信情報システム専攻)

研究テーマ

  • 固定無線アクセス技術
  • クロスレイヤ融合技術
  • 無線LAN技術
  • 有線・無線の同期制御技術
  • 電力線通信技術
  • ソフトウエア無線技術

連絡先

京都大学吉田キャンパス工学部3号館S406号室
TEL: 075-753-5348
FAX: 075-753-5349
morikura@i.kyoto-u.ac.jp
http://www.imc.cce.i.kyoto-u.ac.jp/~morikura/

山本 高至 ( Koji YAMAMOTO )

山本 高至准教授(情報学研究科 通信情報システム専攻)

研究テーマ

  • マルチホップ無線ネットワーク,コヒーレントCoMPなどの周波数利用効率
  • ゲーム理論を用いた無線通信システムの解析,方式提案

特に,マルチホップ伝送を用いる無線通信システムについて,そのシステム容量や適応資源制御に関する基礎的な研究を行っています.

連絡先

吉田キャンパス 工学部3号館S408号室
E-mail: kyamamot @ i.kyoto-u.ac.jp

西尾 理志 ( Takayuki NISHIO )

西尾 理志助教(情報学研究科 通信情報システム専攻)

研究テーマ

  • 複数の無線通信を統合的に用いた通信技術
  • 無線LAN技術
  • クロスレイヤ通信制御

連絡先

吉田キャンパス 工学部3号館S404号室
TEL: 075-753-5960
FAX: 075-753-5349
E-mail: nishio @ i.kyoto-u.ac.jp
http://www.imc.cce.i.kyoto-u.ac.jp/~nishio/

研究テーマ・開発紹介

ENTERPRICE M2Mネットワーク

環境に優しく安全安心な社会を構築するために,スマー トグリッドや自然災害予防システム,保健福祉医療システムなどの早期実現が必要である.これらの監視制御アプリケーションは端末数,伝送速度,給電方法な どが様々である一方で,これらの要求を統一的に満足するアクセスネットワークが望まれる.これら全ての監視制御アプリケーションの要求を統一的に一つの無 線ネットワークで満足するM2M(Machine to Machine)無線ネットワークであるENTERPRICE M2Mネットワーク(M2M network consisting of Enormous Number of TERminals without PRImary CElls)を提案し,研究を開始した.

ENTERPRICE M2Mネットワークの要求条件の一つは,移動体通信システムや無線LANで要求される高速大容量と比較して,1端末あたりは低速であるものの通信距離が長 いことである.加えて,通信距離が長いために競合する端末数が莫大となる.これは,IEEE 802.11ahやIEEE 802.15.4kにおいて新たな標準規格の策定に向け議論が開始された注目すべき分野である.これと並行して,電子タグシステム及び将来的なスマート メータのための帯域として,日米欧中韓を含む各国で920 MHz帯を中心とした帯域の割り当てが進んでいる.

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バッテリレス端末のための給電・通信スケジューリング

ENTERPRICE M2Mネットワークのもう一つの要求条件は,莫大な端末のメンテナンスフリーのためにバッテリレスが望まれることである.このため,一次電池や電力線以外 の,何らかの形でその場で充電するキャパシタなどの利用が長期的にはより現実的と考えられる.給電方法としては,近年研究・実用化が進んでいるワイヤレス 電力伝送やエネルギーハーベスティングなどが考えられる.

一つの実現方法としてマ イクロ波給電を用いる場合,無線通信と干渉しうるため,給電と通信との時間的なスケジューリングが必要である.初期検討として,マイクロ波給電を太陽電池 による給電により模擬し,給電中は通信を行わないという設定のもとで,センサの残エネルギーと給電電力に対する最適スリープ制御を実験的に検討している.

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オペレータ共用モバイルリレー

近年,第3世代 移動体通信の標準化機関3GPP(3rd Generation Partnership Project)において次世代移動体通信の標準規格であるLTE-Advanced(Long Term Evolution Advanced)の検討が進められている.LTE-Advancedでは,100 MHzの広帯域を使用することによる下り最大1 Gbit/sの高速通信が目標とされ,高スループットな通信システムが求められている.セルラネットワークの高スループット化が推進されると同時に,設備 コストの削減や環境問題対策への需要が高まっている.近年では,複数のオペレータが基地局(eNB)等の設備や周波数帯域を共用するネットワークシェアリ ングが注目されている.ネットワークシェアリングに関する項目は標準規格にも組み込まれており,LTE-Advancedでは上限を6とする複数オペレー タが1つのeNBを共用可能にすべきとされている.特に欧州を中心として,今後ますますネットワークシェアリン グの動きが活発化すると考えられる.

バ ス車両等に移動体通信用の中継局を設置する場合,高利得アンテナを利用した中継伝送が可能であり,ユーザ端末への直接伝送と比較して周波数利用効率の改善 が見込まれる.加えて,複数ユーザ端末のハンドオーバを中継局において一括して行うことで,ネットワークへの負荷を軽減することが可能である.しかし,複 数オペレータが個別に中継局を設置することは,設置スペースの面において効率的でない.この問題を解決するために,ネットワークシェアリングの概念を中継 局に用いるオペレータ共用モバイルリレーの検討を進めている.

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