コンピュータビジョン分野(西野研)
本研究室では,コンピュータビジョン,すなわちコンピュータに視覚知能を与えるための理論的基盤とその実装,ならびに,そこから得られる知見の人間の視覚知能の解明への応用に関する研究をおこなっています.主に機械学習や光学を道具とし,単純に画像や映像を効率的に消費するための手段にとどまらない,ただ見るだけではなく,知覚として「視る」ためのコンピュータビジョンの実現を目指しています.
教員
西野 恒 ( Ko Nishino )
教授(情報学研究科 知能情報学専攻)
研究テーマ
視覚情報処理,コンピュータビジョン,機械学習
連絡先
総合研究9号館南棟3階 S-303号室
TEL: 075-753-4891
https://vision.ist.i.kyoto-u.ac.jp/
延原 章平 ( Shohei Nobuhara )
講師(情報学研究科 知能情報学専攻)
研究テーマ
コンピュータビジョン,多視点画像からの3次元形状・運動復元,3次元ビデオ
連絡先
総合研究9号館南棟3階 I-302号室
TEL: 075-753-5883
https://vision.ist.i.kyoto-u.ac.jp/~nob/
研究テーマ・開発紹介
1. 人を視る
人はその見た目や行動に,性別や身長などの外見的属性にとどまらない,その人の内面や考えを映す豊かな情報を含んでいます.例えば,我々は人の気分や意図を瞬時にその人の動きや表情から読み取ることができます.本研究室では,人を見ることによりその人の見ているものを判断したり,人混みでの動きを予測する研究をおこなってきました.人が何を見て,何を意図し,どのように体を使って動き,集団としてどのように影響を及ぼし合うか,視覚から理解するための研究を進めています.
2. 物を視る
身の回りの状況や物を見ることにより,我々は多くの情報を得ています.単純に,目の前に道路があり車が停まっている,といった物体認識にとどまらず,道路が雨上がりでぬかるんでいる,車のボディは硬いけどバンパーはより柔らかいなど,歩いたり触ったり,それらの物と実際にインタラクトするために不可欠な情報を視覚からも判断しています.本研究室では,物体の見えからの光源状況,反射特性,物体形状,ならびに素材の推定に関する研究を中心に,物体の見えや風景からのより豊かな物理的及びセマンティックな情報抽出のための研究をおこなっています.
3. より良く視る
人間は二つの目を用いて,可視光範囲内でこの世界を見ていますが,コンピュータはこのような撮像系に限られる必要はありません.本研究室では,より豊かな視覚情報を得るための,情報処理が一体化された新たな撮像システム(コンピュテーショナルフォトグラフィ)の開発をおこなっています.最近の研究では,近赤外光と光の散乱に着目し,泳いでいる魚などの水中の物体の実時間3次元撮像や,半透明物体の内部における光の逐次伝搬の撮像などを実現しました.