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伝送メディア分野

無線通信において将来的にコアとなる革新的技術の創出を目指し,学際的アプローチ・他機関とのコラボレーションを重視しながら,研究に取り組んでいます.

特筆すべき成果として,画像情報処理に基づくミリ波向け事前通信制御技術の2015年1月と同年12月の国際会議での世界に先駆けた発表があります.1GHz前後のマイクロ波帯を用いる現在の携帯電話では,通信品質に基づきスケジューリングなどの様々な制御が行われています.一方,60GHz付近のミリ波帯は,マイクロ波帯と比べて格段に広い帯域を用いることができるため,2020年頃の実用化を目指す第5世代移動通信システム(5G)におけるブレークスルーとなりうる技術として注目されています.しかし,ミリ波は光に近く直進性が高いことに加えて,人体による吸収が段違いに大きく,通信品質の変化が急激に起こり,変化を待っていては遅すぎます.そこで,機械学習・コンピュータビジョンの発展により身近に使えるようになった,深度(奥行き情報)を加えた画像情報処理により,通信品質を事前予測するだけでなく,それによる事前通信制御技術の効果を実験的に確認しています.

教員

山本 高至 ( Koji YAMAMOTO )

准教授(情報学研究科 通信情報システム専攻)

研究テーマ

  • Wireless Communication Systems 無線通信システム

  • Radio Resource Management 無線リソース制御

  • Game Theory ゲーム理論

  • Stochastic Geometry 確率幾何

連絡先

吉田キャンパス 総合研究9号館S408号室
E-mail: kyamamot [at] i.kyoto-u.ac.jp

http://www.imc.cce.i.kyoto-u.ac.jp/~kyamamot/

研究テーマ・開発紹介

RGB-Dカメラと機械学習を用いたプロアクティブミリ波通信制御

無線通信は年率1.5倍(10年で約60倍)とも推定される通信要求の高まりに応じるため,高速化の一途をたどっています.特に2020年頃の実用化を目指す第5世代移動通信システム(5G)におけるブレークスルーとなりうる技術としてミリ波(60 GHz)があります.広帯域が利用可能であり,現在市販されている機器でも4.62Gbit/sでの通信が可能です.一方,ミリ波は光に近く直進性が高いため,車や歩行者に見通し通信路が遮られると受信信号強度が急峻に低下します.現在の1GHz前後を用いる無線通信では電波の受信品質に基づき,スケジューリングなど様々な制御が行われていますが,ミリ波通信では通信品質の変化が急峻に起こるため,変化を検出してからの制御では一時的だが大きな通信性能低下は免れません.  そこで本研究室では,コンピュータビジョンの発展により身近に使えるようになった深度を加えた画像情報処理と,近年様々な分野への応用がなされ始めた機械学習技術により,ミリ波通信品質を事前予測するだけでなく,それによる事前(プロアクティブ)通信制御技術の開発を行っています.  右図の提案システムでは,RGB-Dカメラを用いてユーザ端末のミリ波通信セルからの参加離脱や見通し通信路遮蔽などミリ波通信環境を予測し,プロアクティブ(事前)に通信制御を行うことで,高品質・高信頼なミリ波通信を実現しています.従来より,信号強度から端末位置や移動を推定・予測する試みはありますが,本システムではカメラを用いて直接的に対象を検出することでより高精度に,そしてこれまで予測できなかった遮蔽物や障害物など通信端末以外のものも予測対象とすることが可能です.更に,カメラ画像と通信品質履歴を組み合わせ統計処理や機械学習を行うことでより精度の高い予測が可能となります.  本研究室では,理論やシミュレーションのみならず写真のような実験による実証評価まで行っており,2015年1月の国際会議CCNCでは世界に先駆けてデモ展示 [Nishio2015] を行ったほか,通信のトップカンファレンスであるGLOBECOMにも採録されました [Oguma2015].

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