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宇宙電波工学分野(宇宙圏航行システム工学分野/山川研究室)

山川研究室では,宇宙空間の電磁環境の理解および,そこを人間の生存圏として利用していくために必要となる宇宙システムに関し,工学・理学両者の観点から研究を行っています.研究分野は,宇宙システム工学,軌道ダイナミクス,宇宙プラズマ物理学から,電子工学,電波工学の広い範囲にわたっています.また,研究室として国内外の宇宙ミッションに深く関与しており,我が国の宇宙航空研究開発機構(JAXA),および,アメリカ航空宇宙局(NASA),ヨーロッパ宇宙共同体(ESA)や,国内外の多くの共同研究者と研究を推進しています.

教員

山川 宏 ( Hiroshi YAMAKAWA )

山川 宏教授(生存圏研究所)

研究テーマ

  • 宇宙電磁環境探査工学
  • 太陽エネルギーを利用した宇宙システム工学
  • 宇宙機の非線形軌道ダイナミクス

連絡先

生存圏研究所 生存圏開発創成研究系 宇宙圏電波科学分野 教授
TEL: 0774-38-3805
FAX: 0774-31-8463
E-mail: yamakawa@rish.kyoto-u.ac.jp

小嶋 浩嗣 ( Hirotsugu KOJIMA )

小嶋 浩嗣准教授(生存圏研究所)

研究テーマ

  • 宇宙飛翔体に搭載するプラズマ波動装置の開発
    • 科学衛星GEOTAIL(地球磁気圏探査: 1992年打ち上げ)
    • 科学衛星 BepiColombo (水星磁気圏探査: 2013年打ち上げ予定)
    • 波動-粒子相互作用解析装置の開発
    • アナログASICを用いた超小型プラズマ波動観測器の開発
  • 宇宙飛翔体による宇宙惑星空間プラズマ波動観測
    • 非線形プラズマ波動解析
    • プラズマ波動現象による磁気圏ダイナミクス解析
    • 宇宙プラズマ中における電界アンテナ特性の解析
  • 宇宙圏電磁環境モニター(宇宙空間飛散型センサーネットワーク)の研究
    • アナログASICによる電磁環境小型センサーノードの開発
    • 飛散センサーノードの位置特定に関する研究

連絡先

611-0011 宇治市五ヶ庄 京都大学生存圏研究所
宇治地区研究所本館南ブロック HS404号室
TEL: 0774-38-3816
FAX: 0774-38-3816
E-mail: kojima rish.kyoto-u.ac.jp

上田 義勝 ( Yoshikatsu UEDA )

上田 義勝助教(生存圏研究所)

研究テーマ

  • Remediation/Cleanup technologies of Radioactive Contamination for Support Fukushima. (福島県下における土壌・水質汚染の実地調査と、放射性核種の高速除去技術の実証研究)

【1.事業の概要】
本事業は、生存圏研究所及び化学研究所の連携により、福島原発近郊(避難区域以外の比較的汚染度の高い地域)にて実際に放射性セシウムで汚染された土壌の効率的な除染技術、及び、農作物への低吸収技術の提案を目的とした事業である。 本申請チームでは、福島県農業総合センターと緊密に連携し、実際の汚染土壌を用いて技術の実証研究を行う。申請者らのうち上田・徳田は昨年度、総長裁量経費の支援の下、ナノバブル水を用いて放射性セシウム汚染を除染する技術の検討を行ってきた。本申請では、第191回生存圏シンポジウム「東日本大震災以後の福島県の現状及び支援の取り組みについて」における議論とこれまでの研究成果を踏まえ、昨年度の申請を発展的に展開し、福島県農業分野の復旧・復興への貢献に軸足をシフトする。具体的には、上田・徳田によるナノバブル水による除染技術と、伊藤・杉山による蛍光X線を利用した高分解能蓄積部位解析を統合的に活用し、福島県農業センターとの緊密な連携の下で支援事業を行う。

【2.事業の実施方法】
1)ナノバブル水を用いた除染技術の実証と植物生育促進効果の検証(上田義勝・徳田陽明) ナノバブル水による除染効果は実証済みであるが、その除染メカニズムは不明な点が多い。そこで、セシウム除去におけるナノバブル水の効果を定量的(粒子分布・電気伝導度等の測定)に検証し、除染の最適化を目指す。また、ナノバブル水には花き植物の延命効果や生育促進効果もあるといわれている。さらに、ナノバブル水の生育促進効果は水耕栽培を行う植物工場での利用も期待されている。そこで、項目2)の水耕栽培系においてナノバブル水の効果(根の養分吸収、生育、収量、品質等)を検証し、植物栽培におけるナノバブル水の効果を同様に定量的に明らかにし、福島県の農業再生の支援を行う。する。 2)蛍光X線を利用したセシウム吸収部位の高分解能解析と低吸収栽培技術の確立(伊藤嘉昭、杉山暁史)  X線分析顕微鏡による蛍光X線分析は、10μmの分解能で植物体内での元素の蓄積部位を調べることができるため、組織間でのセシウム蓄積能力の比較解析に極めて有効な方法である。また、特別な前処理を必要とせず、生きたままの状態で植物を分析できるという利点もある。食の安心・安全へ向けて、可食部のセシウム移行が少ないイネやダイズ品種の水耕栽培を用いたスクリーニングや施肥条件の検討、及びナノバブル水の効果について検証する。

【3.本学の発展に期待される効果】
生存圏研究所の理念は、「社会的な要請を背景にして人類の生存と繁栄を脅かす諸問題の解決に取り組む事」であり、未曾有の原発災害からの福島県農業の復興を目的とした本事業に最優先で対処していくことは必須である。本申請では、生存圏研究所、化学研究所の4名の教員が福島県農業総合センターと連携して本格的に福島県の農業復興に取り組む重要な研究事業であり、震災復興において本学が果たすべき社会的な役割の一端を担うものと信じる。

  • Electrochemical property of Nanobubbled water and its applications. (ナノバブル水の電気化学特性の研究とその応用利用に関する研究)
    • 観葉植物の延命効果
      ナノバブル水には花き植物の延命効果や生育促進効果もあるといわれている。さらに、ナノバブル水の生育促進効果は水耕栽培を行う植物工場での利用も期待されている。そこで、水耕栽培系においてナノバブル水の効果(根の養分吸収、生育、収量、品質等)を検証し、植物栽培におけるナノバブル水の効果を同様に定量的に明らかにする。
    • Removal Cesium (除染利用)
      The Fukushima Daiichi Nuclear Power Station suffered a meltdown as a result of the Tohoku earthquake that occurred on March 11, 2011, in Japan. The accident released several kinds of radioactive nuclei over eastern Japan. Among these nuclei, Cs-134 and Cs-137 are the most important in terms of their effects on the environment. Fallout Cs is stabilized in soil by ion exchange with alkali ions and is well-known to be difficult to remove. Indeed, a previous study employing phytoremediation failed to remove radioactive Cs from the soil. Furthermore, although another trial using strong acid and/or chemicals was successful, such chemicals may themselves be environmental pollutants because they alter the pH of soils and the composition of inorganic ions, which strongly influence plant and animal growth. Thus, a more benign approach to remediation is required. Here, we report the effectiveness of using water containing nano-sized air bubbles with a diameter around 100 nm (nanobubbled water) on removal of radioactive Cs. Nanobubbled water was effective for removal of radioactive Cs from granule conglomerate in Fukushima, Japan. Although the characteristics of such water are not completely understood, it is currently used on Japanese highways to remove de-icing salts.

      福島原発災害により、放射性セシウムが東日本に降下した。我々はセシウムの除染にナノバブルを含む水(ナノメートルオーダーの気泡を含む水)が有効であることを既に見いだしている。しかしながら、ナノバブルを含む水による放射性セシウムの除去機構については不明である。本研究ではナノバブルを含む水の粒度分布、各粒子の表面電荷密度を種々の方法によって解析し、除染効率との相関を明らかにする。得られた知見を元に除染効率の向上や、無機イオンを含むナノバブルを含む水の生成を試みる。また、福島県下にての除染の実証試験を行って、現地に即した除染方法の提案を行う。
    • 材料合成
      大気汚染や水質汚染は、生活圏を脅かす問題であり、種々の解決策が提案されている。その一つとして、チタニアに代表される光触媒の利用がある。その中でも、高機能化、省資源化、低環境負荷の観点から、ナノ粒子に注目が集まっている。本研究では、種々のナノ粒子を作製する新規な手法を探索し、生存圏科学に資する材料を作製することを最終的な目標とする。 さて、マイクロメーターオーダーのサイズの泡を含む水は、マイクロバブル水と呼ばれており、特異な物理化学的挙動を示すことが知られている(500 nm以下程度の泡を含む場合に、ナノバブル水と呼ばれる)。バブル表面が負に帯電しているため、バブル同士の静電反発によって、長時間消滅しないことや、表面張力が低下することなどが知られている。また、バブル圧壊時に、衝撃波が発生することなども、実験的に明らかとなっている。尚、このマイクロバブル水は生存圏研究所所蔵の装置BuvitasHYK-32-Dを用いることで生成が可能である。 水に超音波を照射すると、局所的な水の粗密に由来するバブルが生成することが知られている。このバブルの圧壊に由来するエネルギーによってラジカルが発生するため、超音波を材料合成に利用するという試み(ソノケミストリ)がなされてきた。この超音波によって作り出された反応場は、結晶軸配向、結晶成長速度の増加という効果を生み出す。  マイクロバブル水においても、超音波照射と同様にバブル圧壊に伴うラジカル発生するとされており、特異な反応場を生み出す可能性がある(図1)。また、マイクロバブル水の大まかな特性は、純水と同じであるので、超音波照射下では一般的に容易ではない、高温下、高圧下といった反応条件を用いることもできる。さらに、表面張力が低下することを利用すると、界面活性剤を用いることなく、水と有機溶媒を乳化させることも可能である。このようにマイクロバブル水を出発原料とする材料合成は、新規な反応場を生み出しうる萌芽的な研究であるといえる。  本研究では、環境触媒材料であるアナタース型の酸化チタン(TiO2)のナノ粒子を高効率に作製することを試みる。具体的には、水を用いるゾルゲル法に着目し、出発原料としてマイクロバブル水を用いることによって、低温度での結晶化、高効率(高い結晶成長速度)な反応を試みる。
  • Electrochemical property about proton conductive material (高機能材料(プロトン伝導性素材)の電気化学特性の解析)
    Further advances in polymer electrolyte fuel cells require membranes which can operate at intermediate temperatures (100–150 °C). In this study, we have prepared novel organic–inorganic hybrid titanophosphite membranes possessing proton conductivity. Ethanol condensation of vinylphosphonic acid (VPA) and titanium tetraisopropoxide, followed by successive copolymerization with ethylmethacrylate monomer afforded the desired titanophosphite membranes. The obtained membranes are crack-free, water durable, and thermally stable up to 200 °C. IR, NMR, and UV-vis analyses reveal that the membranes have graded monomer conversion from the top surface to the core due to UV absorption of titanate during photopolymerization; the intensity of UV light during photopolymerization decreases as the penetration depth increases, resulting in a decrease of conversion of the inner part. The surface of the membranes are completely polymerized, affording water durability, whereas the inner parts are partially polymerized, allowing VPA to act as a proton donor. This provides proton conductivities as high as 6.3 × 10-4 S cm-1 at 130 °C under a nitrogen atmosphere. These properties overcome the well-known problem that proton conductivity of polymer electrolytes decreases at intermediate temperatures.

    エネルギー供給の多様化や地球温暖化問題の解決のため、燃料電池への注目が集まっている。プロトン交換膜型の燃料電池の高効率化のためには100℃以上の中温領域での作動が不可欠である(白金触媒の被毒を避けるため)。本研究では、表面で耐久性を保持し、内部でプロトン伝導性を示すような傾斜機能性を有する有機・無機ハイブリッド膜の新規な合成法を考案し、中温・無加湿下で作動するプロトン伝導膜の高機能化を行う。 共同研究者らは、無溶媒下でのアルコール縮合を利用して、バルクサイズの有機-無機ハイブリッド膜を得る方法を考案した。得られたケイリン酸塩系有機-無機ハイブリッド膜は、リン酸基(POH)を多く含み、中温領域での高いプロトン伝導性が期待でき、昨年度の生存圏ミッション研究により、510-3 S/cm@85Cという比較的高いプロトン伝導性を示す事がわかった (Tokuda et al., J. Mater. Res. 2011、Tokuda et al., Solid State Ionics 2012)。さらに光重合時の紫外光阻害を利用して重合率を膜厚方向に傾斜させたチタノリン酸塩系有機無機ハイブリッド膜は、プロトン放出サイトを内部に保持し、かつ表面が完全重合層となって耐久性を確保できるような、新規な合成プロセスを見いだした。  本研究では、有機・無機ハイブリッド材料の化学的耐久性と柔軟性を併せ持つプロトン伝導膜を作製することを最終目的としている。プロトンが膜を伝達するためには、分子レベル、マイクロ構造レベル(伝導パスの存在)での構造制御が不可欠である。さらにマクロ構造レベルでの構造設計により目的を達成する。
  • Study for space applications of R-type manganese dioxide (R型二酸化マンガンを用いた宇宙利用への応用システムの研究)
    • 燃料電池特性 Specifications to fuel cell
      低炭素社会の実現に向けた水素エネルギー利用に関する研究開発は非常に重要な研究課題である。二酸化マンガンはMnO2の化学組成をもち、電池材料として一般にもよく知られた物質である。ところが、二酸化マンガンの結晶構造にはアルファ型、ベータ型、イプシロン型、ガンマ型、ラムダ型、デルタ型、アール型と7種類の異なる結晶構造が存在し、それぞれの結晶構造毎に、導電性やイオン交換性など多くの物理・化学的性質が全く異なるという事実は、無機材料の専門家の間でもあまり知られていない。近年、SPring-8に代表される放射光施設や中性子利用施設の高性能化が進み、従来、充分な解析が困難であった二酸化マンガンにおいても局所的な結晶構造の違いを解析することが可能になってきた。その結果、アール(R)型結晶構造を有する二酸化マンガンのナノ粒子(RMO)が酸化物であるにもかかわらず、室温下においてプロトン伝導性を示し、電気的特性が他の結晶構造と比較して異なる事が明らかにされつつある。本研究は、RMOに特有の電気特性を利用することで、従来の固体酸化物とは温度領域の異なる、室温動作型の燃料電池システムの開発を目指すものである。我々の研究グループでは、RMOナノ粒子を用いた電気特性の解析を2007年度よりすすめており、そのプロトン伝導性に着目して解析を行ってきた。RMOの水素ガスに対する基礎特性解析として、RMOのナノ結晶粉末を直径2cmのペレット上に圧縮加工し、白金メッシュで挟み込む事で、常温(約25℃)下における水素ガスの濃度依存性について計測したところ、反応域が0.1%~99.9%と広範囲の濃度領域に対して起電圧反応特性が得られる事が判明した。その特性傾向を較正値とした水素ガスセンサを我々は既に開発済みであり、新聞発表も行っている。また、RMOは結晶構造的に100℃以上の中温域下においてプロトン伝導特性が向上する事がわかっており、燃料電池的な性能も持つ事が分かりつつある。そのため、これまであまり使用されていない温度域(100℃から300℃程度)での新しい酸化物型燃料電池材料としても期待されつつある。本研究においては、まず基礎特性計測として、各結晶構造におけるマンガン材料の水素ガス反応特性を発電特性として精査・測定した。その測定から、RMOが燃料電池材料としてマンガン結晶の中では一番最適な特性であることが判明したため、その詳細について開発した水素ガスセンサの紹介とともに温度特性、インピーダンスプロットなどの電気化学特性比較を行った。
    • 水素ガスセンサ Hydrogen sensor development
      A high-purity, ramsdellite-crystal type manganese dioxide was used for an electrolyte in a hydrogen gas sensor. In this report, the electrochemical properties of the hydrogen gas sensor using electrolytes made of different crystal type of manganese dioxides, such as the ramsdellite-crystal type, a β-crystal type, and a λ-crystal type were examined. The high-purity, ramsdellite-crystal type manganese dioxide showed the electrical conductivity from 0.71 x 104 to 1.69 x 104 S/cm between 25 and 80˚C under 85 % relative humidity (RH) condition. This conduction was mainly based on unique proton conduction on the surface of the particles.

      水素は代表的なクリーン・エネルギーであり、その安価な製造方法に対する市場ニーズが今後ますます高まることは必須な状況である.現在、水素の主な製造方法として、天然ガスの主成分であるメタンガスに700-800℃の水蒸気を接触させて水素に改質する方法がとられている.しかしながら、この方法ではメタンガスから水素へ80%以上の高い変換効率は得られる反面、高温の水蒸気を製造するコストが高く、水素の低価格化は望めない.このため、種々の触媒材料を用いることで、より低温で水素への改質が試みられている.しかしながら、アルミナを担体とした貴金属触媒では耐熱性は高いがメタンガスを水素ガスに直接変換した際に副産物として一酸化炭素COが発生してしまう.また、活性炭などのカーボン材料を貴金属触媒の担体に使った場合にはカーボン自体が数百℃で灰化する.そこで本研究では、二酸化マンガンを担体として貴金属の中でも比較的安価なパラジウムのナノ粒子を二酸化マンガンの表面に析出・担持させた触媒(Fig1参照)を用いて水素変換効率を向上させる手法を提案し、研究を行う。
  • Neutron spectroscopy of hydrogen in meso-porous carbon for hydrogen gas storage application (メソポーラスカーボンに関する中性子ビーム・電気化学を用いた特性解析)
    We developed a simple synthesis of a meso-porous carbon produced by using novel flash heating method, which combines a high porosity of over 98.5% with a high Brunauer–Emmett–Teller surface area of 677.7m2/g. The products consisted of cross-linked carbon beams containing surface micro-pores (pore size < 2 nm) and meso-pores (5 nm < pore size < 50 nm). In addition, macro-pores (5 m < pore size < 50 m) were found between the cross-linked carbon beams (see Fig. 1). The electric conductivity of the material was lower than 2.9 x 10-3Ω・m

    国内外における木質材料粉末は販売されている物もあるが、廃棄されている材も多く、その有効利用についての議論が活発に行われている。本研究では、準密閉容器内でその木質粉末を急速加熱して液化・再凝固させることで、従来のカーボン材料とは異なる新規な多孔質カーボンを精密に合成する研究を行う。この多孔質カーボンは穴径が一定で表面積も広く、昨年度の生存圏研究所部局活性化経費(若手研究者の競争力強化に関する取組)による助成で行った先行研究において、その穴(4nm)において水素が特殊な状態で捕獲されている事が確認されている。本研究では、将来の萌芽的研究として、材料や生成方法の違いによる水素吸蔵性能をより詳細に調査するとともに、材料を加工してパラジウム担持させる等の処理を行う事で、その水素吸蔵性能がどこまで上がるかについて評価・研究を行う。
  • SS-520-2 Rocket Experiment
    宇宙空間においては、プラズマ波動を介して粒子同士の相互作用が発生すため、科学衛星観測では電界や磁界を観測するプラズマ波動観測器と、電子やイオンを計測する観測装置が個別に搭載され、観測が行われて来ている。本研究では、これらの観測機器で個別に得られたデータを衛星機上で処理することで、より高度な情報を得る事を目的とする。利点としては、衛星から地上へのデータ転送レートを気にすることなく機上で生データを全て利用出来る点であり、高精度の観測が行えると期待されている。
    水星探査計画「bepiColombo」搭載プラズマ波動観測器の開発
    http://www.jaxa.jp/projects/sat/bepi/index_j.html

    SS-520-2号機北極ロケット実験によるプラズマ波動観測器の開発と解析(2000年打ち上げ)

  • Development of Plasma Wave Analyzer (PWA)
    Data Analysis observed by PWA
  • 水星探査ミッション Bepi-Colombo Mission
    Development of Low noise amplifier and Small & lightweight receiver
  • Wave-Particle Correlater (波動粒子相関計測器の開発)
  • 1-chip type micro plasma wave receiver (1チップ型波動粒子計測器の開発)
  • 電磁環境モニタ装置開発
  • 磁気プラズマセイル実験系・シミュレーション Magnetoplasma-sail experiment/simulation

連絡先

〒611-0011 京都府宇治市五ヶ庄 京都大学生存圏研究所
TEL: 0774-38-3869
FAX: 0774-38-3869
E-mail: yueda@rish.kyoto-u.ac.jp

研究テーマ・開発紹介

高速のプラズマ流である太陽風を宇宙機の周囲に生成した人工的な磁場で受け止めて推進する宇宙システムに関する研究

惑星間空間には太陽を起源とする高速のプラズマ流である太陽風が吹き荒れています。 磁気プラズマセイルは、宇宙機の周辺に人工的なダイポール磁場を発生させることで、この太陽風の運動エネルギーを受け止め、宇宙機に推進力を与えるシステ ムです。磁気プラズマセイルを現実のものにできるかどうかは、太陽風プラズマ流を受けとめるための十分な大きさの磁気圏を、探査機の持つ僅かな質量・電力リソースで実現出来るかどうかにかかっています。ここ3年ほど我々のグループは国内の研究者と共同して、このような画期的な推進システムを持つ宇宙機の実 現可能性を追及すべく、数値シミュレーション、および、真空チャンバを使用したスケールモデル実験により磁気プラズマセイルの基本原理の確認を行なってき ました。その結果得られた推進性能を仮定することで、惑星間飛行あるいは太陽系脱出までもが従来と比較して短時間で実現することを示し、 同時に宇宙機の具体的なシステム検討を行ないつ つあります。宇宙機の質量、電源、熱制御等のシステム設計の精度を上げるべく、磁気プラズマセイル宇宙機の中核技術である宇宙用超伝導電磁石システムに関 して、研究開発を進めつつあります。

magsail

propulsion

宇宙圏電磁環境モニター(宇宙空間飛散型センサーネットワーク)に関する研究

これまで当研究室で開発を行ってきた、衛 星搭載用プラズマ波動観測器のアナログ部を、アナログASICという集積回路内に実現させる研究を行っています。これにより、従来、A4基板1枚の大きさ であったものが、数mm角のチップ内に納められてしまうことになります。一方で、この小型化技術を応用して、宇宙電磁環境を、多くの点で手軽に測定できる 「宇宙圏電磁環境モニター」の研究も行っています。これは、アナログASICによって実現される小型のセンサーとそれを無作為にばらまいた状態で、各ポイ ント毎の位置捕捉・観測データの転送を制御する装置からなっています。宇宙で人類が活動する際、宇宙圏環境に対して与える乱れをモニターする目的をもって いる他、地上におけるセンサーネットワークシステムにも応用が期待されています。

MSEE

宇宙空間プラズマ中におけるエネルギー輸送を直接観測する「波動-粒子相互作用解析装置」に関する研究

次世代の磁気圏探査衛星では、そこで発生している、粒子と波動のエネルギー交換過程を従来よりも、3桁以上高速にした時間スケールで観測することが重要と言われています。それを実現するためには、従来のように、地上に観測データを転送してからデータ解析を行う、というプロセスでは間に合わず、オンボードでの高速「波動 -粒子相互作用解析」が必要となります。当研究室では、オンボードでしかもワンチップ で解析を行うことのできる「デジタル型波動-粒子相互作用解析装置(WPIA: Wave Particle Interaction Analyzer)」の開発を行っており、そのプロトタイプの試験を現在行っています。

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日欧国際水星探査計画BepiColomboの水星磁気圏探査機に関する研究

太陽系惑星の中で,「水星 (Mercury)」は,太陽に一番近い惑星で,これまで米国の探査機マリナー10号が,1974年からのフライバイ時に観測を行ったのみで,水星を周回 軌道からきちんと探査した衛星はありません.特に,マリナー10号の観測結果から,水星には弱いながら固有磁場があることがわかっており,地球がもつよう な磁気圏が形成されている可能性があります.日欧共同で開発を行っているBepiColombo水星磁気圏探査機は,人類で初めて水星の磁気圏を探査する 衛星となり,2013年に打ち上げを予定しています.山川研究室は,この水星磁気圏探査機のシステム開発携わっている他,搭載するプラズマ波動観測装置の 開発も行っています.

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宇宙機の軌道ダイナミクスと制御に関する研究

地球周回軌道上の人工衛星や、月や惑星の探査を行う探査機による宇宙観 測・探査・利用ミッションの実現において、どのような軌道上に宇宙機を配置するかが、人工衛星の規模からシステム設計に至るまで宇宙ミッションの全体計画 を決める上で非常に重要である。月や惑星の運動を解き明かす過程で生まれたケプラーの法則、ニュートンの力学は、この数百年の間に天体力学という分野を切 り拓いてきたが、宇宙機においては、さらに、搭載宇宙推進エンジンによる軌道制御の観点が加わるために、その研究対象は天体力学をさらに広げたエキサイテ イングなものとなっている。 また、実際の宇宙機のシステムを考慮する必要があるために、新たな観測装置、新たな推進系、新たな電源系等の進歩に応じて、軌道ダイナミクスと制御の観点 からも研究領域がさらに広がりつつある。本研究室では、太陽エネルギーを用いた宇宙推進システム、例えば、太陽風を推進力に変換する磁気セイルによる外惑 星探査、太陽光圧を利用するソーラーセイルによる地球磁気圏探査・惑星探査、レーザーやマイクロ波による遠隔点からのビームエネルギーによる軌道変更技 術、電気推進エンジンと惑星重力を積極的に利用して軌道変更を行うスイングバイ技術による惑星・小惑星・彗星探査軌道の最適化、地球周回軌道におけるクー ロン力を用いた編隊飛行の軌道制御、 太陽・地球・宇宙機の3体問題における重力・遠心力の平衡点であるラグランジュ点近傍での宇宙観測軌道等、多くの研究を行っている。

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マイクロ波無線電力伝送機能を持つ移動体災害システムの研究

本研究が対象とするのは、マイクロ波による電力と情報の同時無線送受信技術である。無線LAN等、マイクロ波による情報送受信技術の研究が盛んに進められているが、これに電力送信という観点を付加することによ り、多様なアプリケーションを開拓していくことを意図する。送電という観点から見ると、京都大学生存圏研究所では、地上応用例としてはユビキタス電源シス テムの研究、自動車への無線充電に関する研究等を進めてきた。また、近い将来の宇宙応用例としては、地球周回軌道上にある宇宙太陽発電所(SPS)から太 陽電池で発生した電力をマイクロ波に変換して地上へ無線送電するシステムに関する研究を精力的に行なっており、これらの研究成果を本提案研究に応用していく計画である。技術実証の観点から、飛行船にマイクロ波出力装置を搭載して、電力と情報を地表に向けて送信する実験を予定している。

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