電波科学シミュレーション分野(生存科学計算機実験分野)

当研究室の目標は、人類の生存圏としての宇宙空間(宇宙生存圏)を安心・安全に利活用するための基盤技術として、宇宙環境変動(宇宙天気)のしくみを適切に記述し、予測可能なシミュレーションを実現することです。

教員

海老原祐輔 ( Yusuke Ebihara )

教授(生存圏研究所 中核研究部 生存科学計算機実験分野)

研究テーマ

  • 宇宙環境シミュレータの開発
  • 磁気嵐、オーロラ、サブストームなど宇宙環境変動の研究
  • 宇宙生存圏における物質循環のシミュレーション研究

連絡先

居室: 宇治地区本館S棟S-244H
TEL: 0774-38-3844
E-mail: ebihara@rish.kyoto-u.ac.jp

 

謝怡凱 ( Yikai Hsieh )

講師(生存圏研究所 中核研究部 生存科学計算機実験分野)

連絡先

居室: 宇治地区本館S棟S-242H
TEL: 0774-38-3811
E-mail: yikai_hsieh@rish.kyoto-u.ac.jp

研究テーマ・開発紹介

宇宙生存圏の基本メカニズムに関する研究

宇宙空間は高エネルギー粒子が飛び交う過酷な環境です。宇宙放射線環境は、フレアなどの太陽活動に起因する磁気嵐によって大きく変動し、通信・放送衛星を構成する材料の劣化や電子機器の障害、宇宙飛行士へ の被ばくなどの原因となります。これらの高エネルギー粒子の多くは地球近傍の宇宙空間で作られていると考えられていますが、そのメカニズムは未解明のままです。宇宙(太陽)と地球を連接した複合シミュレーションを駆使して、宇宙放射線形成に関わる基本メカニズムの解明をめざします。

人工宇宙生存圏の予測に関する研究

宇宙開発利用を安全に遂行す るためには的確な状況把握に基づく対処が必要で、その為には宇宙空間変動(宇宙天気)を予測することが必要です。この要請に応えるため、複数の手法を組み合わせた大規模計算機シミュレーションを開発し、予測可能な宇宙天気数値モデルの実現を目指します。シミュレーションの結果と人工衛星が実際に観測した データを比較し、パフォーマンスの検証を行います。この宇宙天気数値モデルは宇宙生存圏の診断にも資するものです。

宇宙生存圏の制御に関する研究

人工衛星の機能障害や宇宙飛行士への被ばくを低減するための能動的アプローチとして、宇宙放射線を人工的に減らすことが考えられます。電磁波を宇宙空間に放射して高エネルギー粒子を散乱させるなどの方法論について、必要な電磁波の定量化とその実現可能性の検討を行います。

大規模シミュレーション技術と可視化技術に関する研究

数千CPUコア以上を搭載した超並列計算機を最大限に活用するためのソフトウェア技術は十分とは言えません。これまで困難であったシミュレーションを可能とするため、並列化効率を保ちつつ超並列計算を行う方法論の確立をめざします。また、シミュレーションによって生成された大規模3次元数値データから本質を引き出すための高度可視化技術についての研究も行います。